糖尿病には下記の通りさまざまなタイプがあり、病型・病態に応じた治療が必要となります。
受診時の問診、採血結果・検尿、これまでの治療歴など含め総合的に判断し、説明の上、治療計画を練っていきます。
多くの方は通常月1回の通院で、自宅での食生活や生活習慣を聞かせていただき個人個人にあった改善法を提案いたします。
糖尿病のタイプ
1型糖尿病
血糖値を下げる唯一のホルモンであるインスリンは膵臓(β細胞)から分泌されます。
そのβ細胞が壊されてインスリンが殆ど出なくなった病態が1型糖尿病です。
1型糖尿病も3タイプに分かれますが、おおむね症状としては急激な喉の渇き(口渇)、飲水が増える(多飲)、尿の回数が増える(頻尿)、急激な体重減少や全身がだるい(全身倦怠感)等が出現します。
上記症状は高血糖に起因しており、初診時より著名な高血糖であることが多く、尿ケトン体が陽性の場合は命の危険があるため、迅速に診断を下しインスリン自己注射が必要になります。
当院では、外来でのインスリン導入も可能ですが、初回指摘の際は糖尿病の疾患理解を深めていただくことが、その後の治療経過に非常に重要であり、連携病院での入院加療をすすめております。
2型糖尿病
日本人の90%以上は2型糖尿病です。
食生活の乱れや運動不足、肥満が続くと発病しやすくなります。また遺伝も関連し血縁者が糖尿病だと発症しやすい傾向にあります。
病態の主体はインスリン抵抗性(膵臓からのインスリン分泌能は保たれるも、肥満などの影響で効きづらい状態)となります。ただし、長期間未治療やコントロール不良な状態が続くと、膵臓が疲れてインスリン分泌能自体が低下をきたし、その結果、体重減少などの症状が出現します。
早期発見(健診など)、早期治療が膵臓への負担軽減につながり、合併症の進展も抑制できます。
当院では、初回に食生活の聞き取りを行い必要に応じて管理栄養士による食事療法※1と運動療法など生活習慣の改善を図ります。それでも効果が不十分な場合は、薬物療法を追加します。ただし、初診時の血糖値が非常に高い場合は、生活習慣の改善と同時に薬物療法を開始していくこともあります。
※1:週1回の予約制になります。
その他の糖尿病
(1)膵外分泌疾患 (2)内分泌疾患 (3)肝疾患 (4)薬剤や化学物質によるもの (5)感染症 (6)免疫機序によるまれな病態 (7)その他の遺伝的症候群で糖尿病を伴うことの多いものなどがあります。
妊娠糖尿病
妊娠糖尿病は、妊娠中にはじめて発見された糖代謝異常です。
妊娠中の高血糖は胎児への影響があり(巨大児、新生児低血糖など)、非妊娠時と比較してより厳格な血糖管理が必要になります。
まずは妊娠初期・中期・後期の必要カロリー(肥満の有無により変わります)での食事療法を行い、それでも目標血糖に到達困難な際は、インスリン自己注射を用いた加療が必要となります。